禁止・強制、「ダメ、ゼッタイ。」

備忘録的にレーシック後遺症の記録を綴っていきます

レーシック難民にならないために

 

 

この手の注意喚起はネット上でもよく見かけるのですが、検索上位を埋め尽くすアフィリエイトブログのせいで玉石混合、結局は「大きなクリニックで受ければ安心!」といった反吐が出る乞食ブログばかりなので、私なりの解釈(私だけでなく、散々回った眼科医の意見も多く含みますが)を交えて書いておきたいと思います。

 

●レーシックを受けない

元も子ないですね。でも確実です。
後遺症に苦しむ私たちは、いつも確率や不確実性との戦いでもあります。
再手術で本当に良くなるのか?その確率は?合併症の度合いは?痙攣治療(神経血管減圧術)の合併症で難聴の出る確率は10%もあるの?術後の近視化は何人中何人がどれくらいの期間で何ディオプターぐらいが平均?サイプレジンで痙攣が消えた人の率は?点眼期間は?
何かにすがるように、1%でも可能性のある方に賭けたいのです。でも100%はありません。
その点、レーシック手術を受けなければ100%です。100%後遺症を回避できるなんて私にとっては「夢」や「奇跡」に近いです。
術前にそれに気づいていれば、今頃こんな苦しみはありませんでした。


それでもレーシックを受けたくて仕方がないという方は、下記を【全部】守ってほしいです。全部です。


●術前に眼位検査をする
必須です。大手クリニックでは斜位や眼位の検査はしません。
後遺症患者の多くは、外斜位+遠視のコンボで地獄のような症状が出ています。
私も術後、外斜位の診断を受けていますが、術前は全くそんな自覚はありませんでした。
そして、レーシックで遠視になった場合、それを矯正する眼鏡が凸レンズであることから、通常の外斜位(裸眼)以上に輻輳力(寄り目にする力)を必要とされるので、遠視軽減のために眼鏡をかけると他がおかしくなる、というループにはまる可能性があります。
まさに私がそうです。たぶん染井さんも「遠視眼鏡で眼位異常を誘発する」と書かれているので私と同じ感じですかね。
受けるならきちんとした眼科で術前に眼位検査をし、斜位があるなら手術は見合わせるべきです。
気づかなくても眼位異常がある人は多く、そういう人はレーシック後にトラブルになりやすいという報告があります。これに関する海外の論文などは、レンコンさんのブログが詳しいです。

 

●術前の矯正視力を知る
普段使っている眼鏡やコンタクト。完全矯正にしてるつもりでも、意外と0.7とか0.8辺りであることが多いです。
これが一気に1.5になったら遠方視力が倍の数値。絶対に疲れます。下手すると地獄です。
普段矯正している視力を目指してください。1.5とか2.0なんてこの平成の世ではマジで使い道がありません。
長らく近眼だった人にとって、1.0ってかなり見えるはずです。
慎重に0.7を目指してもSクリニックなどの大手ではオーバーシュート気味に打ってきますので、注意が必要です。

 

●手術によって得られる視力のシミュレーションをする
この手術は意外に高い頻度で過矯正になるようです。上にも書いた通り、0.7を目指してもSクリニックなどの大手ではオーバーシュート気味に打って1.0に、さらに手術室の湿度や本人の体質など予期せぬ事態で1.5になった、なんてことは日常的です。
だから問診で1.0~1.5と言ったのに結果が2.0以上の過矯正になることなんてザラなのです。
従って、遠視側にブレることを前提に考えてください。
実際に1.5や2.0の見え方がどうなのか、術前にコンタクトレンズで過矯正の状態を作って数日過ごしてみてください。
これで耐えられないならば手術は受けるべきではないです。
確実に狙った数値にできる手技ではないからです。

 

●1日レーシックはしない
私の失敗の一因かもしれません。
目の状態や視力は、季節ごとに、1週間単位で、下手したら1日の中でさえ変動しています。
AMに検査を受けPMに手術の日帰りレーシックは、適正な切除量を見誤るリスクがあります。

とある神経眼科の医師は、日帰りレーシックについて「われわれ眼科医の常識からは考えられない」とまで言っています。

 

●弱め→追加矯正という慎重な姿勢の医院で行う
大手クリニックは、コストのかかる再手術を避けようと初めから過矯正気味に打ってきます。「近視の戻りを考慮した」では説明がつかないほどの過矯正にするのです。
良心的な屈折矯正の病院では、弱めに打って足りなければ再度削ろう、という提案があるそうです。
(フジテレビの笠井アナもそのような提案をされたと番組内で言及していました)
この場合、フラップを複数回めくるのでドライアイ等のリスクは上がりますが、過矯正の地獄に比べたら賢明な判断といえます。
「弱めにして0.8位で落ち着いた。でも意外と見えるしちょうどいい」という場合もあります。
足りなきゃその時の年齢・ライフスタイルからまた考えりゃ良いのです。
レーシックは「進むのは容易く、戻るのは難しい」手術と覚えておいてください。

 


こんな片隅のブログで注意喚起しても多寡が知れてるのですが、手術前の方が読んでくれることを願って。